私の日日の愉しさ、それは詩であった。詩のようなものと言った方がいいだろう。私は詩というものをよく解るとは言えないし、詩を作ったこともない。自分で詩だと思っている、詩のようなものを日日の中で感じているのが、ただ愉しい。その愉しさが心の中に溢れていて、それが生活をなんとなく面白くしているようである。


これは、森 鴎外の長女、森 茉莉のエッセイ『私の中のアリスの世界』からの一節です。

2月28日のとっておき家事は《エッセイから暮らしのヒントを見つける》でした。今回わたしがテキストに選んだのが同著です。

この文章を読んで、わたしの《日日の中の愉しさ》を探してみることにしました。


日日の中の愉しさとは



さて、冒頭の文章にある「日日の中の愉しさ」。それは“詩のようなもの”と表現されています。

面白いのは、これがいわゆる言葉を組み合わせて書く「詩」ではないところです。

もっと読み進めていくと、こんな一文があります。


教えても駄目な代りに、覚える人はすぐに覚える。化粧、色の選び方なぞ、すべて微妙なものは詩なのだ。


具体例として、文中ではこんなものが紹介されています。

  • 銀色の鍋の中で沸り泡立つ湯の中の、白い卵
  • 硝子のもの(アニゼット、葡萄酒の空壜。ウィンコオラの薄青い壜など)
  • 料理
  • 色(極く濃い藍か紺、茶、臙脂、それでなければ電燈の下では白と間違える程の薄い薔薇色、灰色がかった水色など)

要するに、日々のくらしのなかにある、自分だけの《とっておきの愉しみ》を見つけるということなのでしょう。

森 茉莉さんは、この美しい文章からは想像もつかないのですが、片づけ下手だったそうです。

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わたしも、元々は片づけられなかったので親近感…。


文中にも、「他の家事は必要でやっているだけだが、料理をするのは愉しくてならない」とあります。
しかも、その料理にもこだわりを感じます。


手のかかる技巧的なものは拵えないが、プラムや苺、桃のジャムを拵えたり、麺麭と卵と牛乳にヴァニラを落した温いお菓子。氷砂糖を熱いうちに溶かした冷紅茶なぞを、愉しんでいる。


まるで映画に出てくるワンシーンのような美しい料理。
このエッセイのなかに登場する料理はどれも魅力的です。なにが魅力的かというと、すべてに物語性が感じられるところです。

母が作ってくれる舌に一番馴染んだ料理や、日々の工夫から生まれる自分ならではの簡単料理。そういうものも大好きですが、わたしの《日日の愉しさ》として、こんなふうに物語性のあるものも作ってみたい。

今年のテーマは《物語性のある料理を作る》に決めました。


ロシアサラド


エッセイのなかにはいろいろな料理が登場しますが、なかでもわたしの心に残ったのは「ロシアサラド」。


巴里のプリュニエのロシアサラドによく似た、白身の魚入りサラドは、私の最もお得意の料理で、酢の利いたあっさりしたものである。(私は酢だけで拵える)顔を洗える位大きなボールに一杯拵えても、息子は一息に平らげる。


実は、わたしにもこの「ロシアサラド」にまつわるエピソードがあるのです。


スペインに留学していたころ、ホストマザーがよく作ってくれたのが「ロシア風サラダ」でした。
もう十年近く前のことなのではっきりと覚えていないのですが、エビや蟹が入っている豪華なポテトサラダです。

「どうしてロシア風サラダなの? 」と聞いてみましたが、「わからないわ。でも、みんなそう呼んでいるの」とのこと。

たぶん、レシピを教えてもらったと思うのですが、引っ越しのときに紛失してしまったようです。エビと蟹以外になにが入っていたのか、どんな味つけだったのか。

帰国後に一度作ったはずなのですが、今となってはまったく思い出すことができません。


ロシアサラドの正体


この機会に調べてみました。
もともとはロシアの「オリヴィエサラダ」というポテトサラダのことで、それがヨーロッパを中心に広まり、独自のアレンジを遂げていったということのようです。

スペインのバルでは、ケーキのようにデコレーションしたものがあったり、鶏肉入りのものがあったり、わたしのママのレシピのように魚介の入ったものも。
森 茉莉のレシピも「白身魚」のポテトサラダです。

思い出しながらさっそく作ってみたのですが、大失敗。
いつものポテトサラダのこってりした味つけで具だけ変えてみたところ、とても不味かった…。次はあっさりした味つけで再チャレンジしてみたいと思っています。


明後日のとっておき家事・予告


3月2日の家事は、

アクセサリーのお手入れ
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/23707986.html

です。

アクセサリーの持ち数を調べ、手入れをして、収納方法について考えてみる。
この3つがテーマです。

すでに定位置はありますが、なんとなく気に入らないのです。
一度決めた場所でも、すこしずつ変えて、お気に入りの収納場所を見つけていきたいと思っています。

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明日のためにできるシンプルなこと

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*レオパレス21情報サイト「ひとり暮らしLab」にて
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