日本ならではの季節行事を大事にしたい。そんな憧れがつねづねあります。でも問題は「ナマケモノ」な性格。

面倒だったらやらなければいいじゃん、と言われるかもしれないのですが、「やりたい!」という気持ちは根底にあるのです。

じゃあどうしたらいいのだろう? ということで、行事のトリセツを家事ノートに作っていきたいと思っています。

今日、3月4日(ひなまつり翌日)のとっておき家事では《ひなまつりログを作る》をテーマにしました。

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今日のとっておき家事ノート

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きのう作った蛤のお吸い物は、スーパーの試食コーナーでもらったレシピです。(調べる手間が省けた、わーい!)

レシピをそのままぺたっと「とっておき家事ノート」に貼って、そこに今年の気づきや変えたことなどを書き込みました。

いきなり「家事ノート」に作るよりは、一度「とっておき家事ノート」の中に下書きをして、内容を精査してから作ったほうがいいなあと思っています。


▼家事ノートは、家事の予定と情報を1冊にまとめた、「わが家の暮らし図鑑」のようなノートです。


「とっておき家事ノート」は、1日1ページ、とっておき家事をやってみた記録をつけるノートです。


365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修行』

3月4日 未桜


▼0話目から読む / ほんのり家事入りの物語、1日1話更新中
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html





くもり空を背景にベランダに立つ、青ざめた顔の未桜。濡れた髪の毛がべったりとほほに貼りつき、鼻すじをしずくが伝っていく。

最初は信じたくなかった。でも、彼女は言った。

「花夜子、あんた、あたしが見えるの?」

鼻の奥がつんとして、花夜子はその場に崩れ落ちた。知らないほうがずっとよかった。


「別にあんたが気にしなくたっていいのに」と未桜が言った。拭いたわけでもないのに、いつのまにか髪も体も乾いて、花夜子の知っている未桜の姿より幾分落ち着いた雰囲気の、大人の女性が目の前に座っていた。

花夜子はいまだあふれ出してくる涙をティッシュで吸い取ってはくずかごに捨て、また新しい一枚を出してきては目元に運び、という作業をロボットのようにくり返していた。

「なんでだろうね、死んだ後どれくらい経ったのかはよくわかんないんだけどさ、ふいにあんたに会ってみたくなって、気づいたら『冷たい』って感覚があった。それは死んでからはじめてだよ。
だから、それが雨のしずくだって気づいたのは、あんたの姿を見つけてからかな」

未桜は淡々と話す。
「どうして?」という言葉を花夜子はぐっと飲み込んだ。紫鶴子さんのときのようにふっと消えて、そして忘れられてしまう。もしそうなったら、私と一緒にいる記憶を持たない未桜がまた戻ってこられる保証はないのだ。

「あたしね、友だちっていなかったんだ。あんたとも友だちって呼んでいいのかはわからなかったけど、体育の時間、さぼりながら、あんたと話すのがなんだか楽しかった」


「また来てもいい?」と確認してから、未桜はすうっとどこかへ消えていった。
花夜子はなにも手につかず、朝食もとらずにぼうっとしていた。

その日、紫鶴子さんは始業時間を過ぎてもやってくることがなく、それがさらに花夜子のリズムを崩して、午後はまるまるなにもせず、観もしないワイドショーをだらだらとかけていた。

だんだん日が暮れて、夜になって、気持ち悪くなってきて慌てて買い置きのオニオンスープを飲んだ。それから食べものを探したけれど見つからずに、この前スウが会社でもらってきたバウムクーヘンの袋をばりばりとやぶって、切ることもせず、手でつかんで食べた。

そうしてまた少し泣いたのだった。



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最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。


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