今日、5月8日(日本記念日協会認定の「声の日」)のとっておき家事では《声について調べる》をテーマにしました。

ねこ


家庭のなかにも「事務作業」と呼べるものがあります。

たとえば書類関連だったり、税金のことだったり、旅行などの手配、各種問い合わせなど。
外で働いていたときの事務作業は苦手ではありませんでしたが、こういった家庭のなかの事務作業はなぜかものすごく苦痛です。

とりわけ苦手なのが「電話」。
自分から電話をかけて問い合わせるのがとても苦手で、先延ばしにしてしまいがちなのです。

「しなくちゃいけない(でも今したくないなあ)」と思うことが頭の片すみにあると、ほかのことも、なんとなくスローペースになるような気がしています。やらなきゃいけないことが重荷になっていて、その結果、たとえばふだんの家事の腰が重くなったり。

今日行ったのは、こういうプチストレスをなくすためのとっておき家事でした。


今日のとっておき家事ノート


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「声の日」なのでなんとなく「声」に関する本を読んでみようと思ったのですが、コミュニケーションが苦手な人の特徴に「声」をあげている本が多くありました。

電話が苦手な理由のひとつが声だということ。目からうろこでした。
ああ、もしかすると、私が電話をするのがいやなのも声がコンプレックスなのかもしれない、と思いました。

自分の声は好きではありませんが、ここでいうコンプレックスは、声質のことではなく、「伝わらない」ということです。何度も聞き返されてしまう。それで申し訳なかったり恥ずかしかったりして、どんどんぼそぼそしたしゃべり方になっていく。

とりわけ鬼門なのがフルネーム(名字のみ、名前のみのときも含む)を伝えるときのこと。変わっているし、発音しづらいので、まずは相手の頭のなかにぱっと浮かばないのもあります。

それに加えて、「また聞き返されたらどうしよう」という小さなトラウマで、発音する前にはぐっとのどが詰まるような感じがするし、意識するほど滑舌は悪くなり、声も小さくなっていく。
私が電話を苦手とする理由は、おそらくこういうところにあるのでしょう。


今回のとっておき家事は長期戦です。
目指すゴールは「電話を先延ばしにしないこと」。そのための1ステップとして取り組んだのが「聞き返されないための声づくり」です。

手始めに3冊の本を読み、そこから取り入れたいことをとっておき家事ノートにまとめました。


▼今回参考にした本(Kindle Unlimited対象。今日時点)



こちらは「イメージ」作りが参考になります。たとえば低くて響く声を出すためには、胸のあたりに口があるイメージで話すこと。一方、高くてよく通る声を出すには、顔の目と鼻を結んだ逆三角形のなかに口があるイメージで声を出すこと。
意識する場所が変わるだけでもずいぶん違うものだなあと驚かされました。




こちらは1分間でできる基本の声トレーニングと、悩み別のオプショントレーニングが書かれているのがおもしろい。声を鍛えるといっても、発声練習だけでなく、体のいろいろな部分とつながっているのが興味深いです。





こちらは発声練習がたくさん紹介されている本。賃貸なのでなかなかむずかしいものの「外郎売り」の音読は子どもも喜びそうな楽しげな音なのでやってみたいと思います。


いろいろ本を読みながら思ったこと。
働いていたときは、やはり無意識に声を作っていたのかな、と思います。相手の顔は見えなくても笑顔で話すようにとか、なるべく明るい声で話そうとか。まず念頭に「相手」を置いて話すように心がけていました。

でも家庭での問い合わせの電話では「自分」が主体になっているから、ふだんの素の、自信のない自分だけが出てきていて、工夫することがなかったのかなあと。

工夫で変わることはどんどん変えていきたいです...!

▼電話関連ではこんな工夫も。

自分の名字や名前の漢字を、電話口でじょうずに伝えられますか?




365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修行』

5月8日 すみれの声


▼0話目から読む
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html




「そろそろ入院の準備をしたほうがいいですよ」と紫鶴子さんが言った。

「出産というのは人それぞれですから、いつなにがあるかわからないですもの。まずは持ちものを調べて、用意して、すぐに持ち出せるようにしておかなければ」

「ねえ紫鶴子さん、ほんとうに赤ちゃんが生まれてくるのかな」

花夜子は大きくなったおなかをさすった。

「生活のイメージが湧かないんだ。赤ちゃんがいるって、どんな暮らしなんだろう」

紫鶴子さんはくすっと笑うと「花夜子さんは、不安なのですね」と言った。

「出産を経験する人は少なくはないでしょう。わたくしが子どもを産む前、不安になっていたら、実母が『みんなふつうに生んで育ててるんだから大丈夫よ』と言いました。もちろん、母としてはわたくしを勇気づけるために言ったのでしょう。
でも、わたくしは不安でなりませんでした。だって、他の大勢の方とわたくしは別の人間なのです。痛みの感じ方も、育てる環境も、なにもかもがまるで違う。だから、他の方の経験はあまり参考にならないのだと思います。子どもを育て上げた今でもそう思いますよ」

「やっぱり大変なのかな?」

「そりゃあ大変ですよ。いきなり『母』になるのですから。わたくしの場合はですが、産む前に母としての覚悟が備わったわけではありませんでした。子育てをしながら、わたくしも少しずつ母になっていった、そういうふうに思っています」

紫鶴子さんに言われて、花夜子はあたたかいお茶を淹れた。ひと口飲むと、胃のあたりにあったもやもやした感情が散らされていくような感じがして、ふた口めで胸がすうっとした。

「わたくしが何を言いたいかというと、不安な気持ちも、これからの糧になるということです。ありのままでいいのです。少しずつ、ゆっくりと母になっていけばいいのですよ」

花夜子は目の奥が熱くなるのを感じた。花夜子はたぶん、感情の振れ幅が小さいほうだと思う。でも、ああ、実は不安だったんだなあとわかって、感情の形がわかったら少しだけほっとした。

「さあ、体にやさしいものを食べましょう。花夜子さん、胃もたれがひどいと言っていたでしょう。あたたかいにゅうめんなんてどうですか。めんつゆを薄めるだけでいいのです、具材もあるものだけでいい。まずは腹ごしらえをして、それから気持ちにまかせて、泣いたり、吐き出したりしましょう」

花夜子は鼻をぐすぐすと鳴らしながら、すっかり止まらなくなった涙を手の甲でぬぐって、目をとじた。紫鶴子さんの声って、すみれの花みたいだ。やわらかくて、上品で、でも芯のある感じ。なんだかなつかしくて、安心する。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。


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