今日、5月18日(日本記念日協会認定の『こりを癒そう「サロンパスの日」』のとっておき家事は《湿布について調べる》でした。

今日のとっておき家事ノート

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家には冷湿布も温湿布も両方あって、とくに使い分けずに、いずれも肩こりと腰痛に使っていました。そもそも何が違うんだろう? とメーカーのホームページで見てみたところ、それぞれ効能が違うのだとか。

説明を読むと納得。「冷たい」のは熱を冷ますためなのですね。もしかすると当たり前のことなのかもしれませんが、怪我で湿布を使ったことさえほとんどなかったので、はじめて知りました。

とっておき家事には「気になってたけどとくに調べたことのない疑問」なども盛り込んでいます。記念日を軸にすると楽しく、新しい発見がありますね。

nkeo



365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修行』

5月18日 キャンディの缶


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http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html




「まあ、ずいぶんたくさんあるんですね」

開かずの箱を開けると、なかには古びた缶がいっぱい詰まっていた。ああ、なつかしい。思わず声に出た。
伯母が遊びにくるときはいつも、缶入りのチョコレートやキャンディを手みやげにくれた。花夜子が集めているのを知っていたからだ。

父の姉であるその人に、花夜子はすこしだけ苦手意識があった。きらいとかいうのではない。ただ、伯母はとてもペースがはやいのだ。しゃきしゃきしている。

しゃべる速度、答えを待つ時間、決めるまでにかかる長さ。そういうものがとても早く、ひとよりワンテンポ遅れがちな花夜子は、一緒にいるとぴりっと緊張してしまうことがあった。そして今思うと、伯母もそのことに気づいていたのかもしれない。

花夜子にはずいぶん気をつかってくれたように思う。伯母に聞かれたことに答えるときも、すこし考え込んでいると、顔には出ているんだけれど、決して口に出して急かすことはない。だから、答えるまでは顔を上げなければ、花夜子は焦ることがない。相手が父ならぽんぽんするどい言葉を浴びせるのに、花夜子のことは、待とうとしてくれていた。

母親のいない花夜子の、母親役をこれまでしてきてくれたのも伯母だ。
花夜子が缶を集めていたのは、単に美しいからだけではなくて、伯母とまた一つ仲良くなれたような気がするからだった。

「これはこのまま残しておきましょう」と、紫鶴子さんが言った。

「どうして? もうずっと使っていないよ」

紫鶴子さんから教えてもらった、捨てるための判断基準。そのひとつが、1年以内に使ったかどうかだったのだ。

「これは花夜子さんにとって思い出のものでしょう。この缶たちを見たときの、花夜子さんの表情。まるでお花が咲くときのようにふわっとした優しい顔でした。そういう顔になれるのは、ささやかでも、大切な思い出です。
それに、この缶は片づけるときの入れ物として使えそうですよ。髪飾りを入れたり、小物を入れたり、しきりにしたり。入れ物になりそうなものは、一度残しておいたほうが後悔しません」

花夜子は、箱の中から缶たちを取り出した。秋らしい色合いで、りすの絵が描かれたもの。てんとう虫の柄のもの。ひな菊の花が精緻に描かれているもの。どれもよく覚えている。なつかしいっていう気持ちは、こんなふうに胸があったかくなるんだ(そして同時に、なんだかきゅっとする感じもある)。

埃をかぶっていたので、一つひとつていねいに拭いてから、きちんとしまる、別な箱を用意してそこにしまった。

片づけが終わったころ、おやつを食べようと腰を上げたら、携帯が鳴った。伯母からだ。

「花夜子、予定日っていつだった?」

相変わらずの早口で伯母が言った。「来月、上旬だよ」と花夜子が答えると、伯母は「え!」と大きな声をあげた。

「ごめん、すっかり忘れていた。里帰りするでしょう? 新幹線の手配をしないとね。それから東京駅まで迎えに行くから...」

花夜子は驚いて「里帰り、しないよ」と言った。

「そうなの? てっきりうちに来るものだと思ってたのよ。でも一人でしょう、大変よ。産後はなかなか動けないし、水に触ったらいけないっていうしね。テレビもだめよ、それからなるべく家事をしないで育児だけ。そうしないと後から体を壊すわ。やっぱり帰ってくるべきよ」

伯母はそうまくし立てて、結論づけた。

花夜子は丁重に里帰りを断った。伯母は相変わらず早口で、勝手に決めてしまっていたけれど、花夜子が話しはじめると待ってくれた。そして、断ったけれども、花夜子は伯母が「里帰りしておいで」と言ってくれたことがとてもうれしく、その夜寝るまでの間ずっと、じんわりと胸を温め続けた。
だって、花夜子にもう血の繋がった家族はいない。あの街に帰る場所なんてないのだから。


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最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。


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