昔の部屋の写真を見る機会がありました。「このころはいつもいらいらしていたなあ」と、胸がきゅっとする感覚に。

料理をしたくてもまずは調理台を片づけることから。冷蔵庫の中身もぎゅうぎゅうで何が入っているか不明。作った料理をテーブルに乗せるまでにも障害物がたくさん・・・。

何をするのにも時間がかかり、いらいらする。こういった悩みが今は一切ありません。でもまだ満足はしていなくて、さらに暮らしを磨いていくための仕組みを改めて見直しています。


このごろ、「最初から片づいた部屋で暮らしていると思っていた」と驚かれることも多いので、わが家の「片づいてる度」事情の変遷を、思い出せる範囲でご紹介したいと思います。

記憶があいまいなので混同してる部分もあるかも... これから脱出する方は記録しておくと後々役立つかもしれません!


猫と部屋
子どもが生まれる前の、もっともモノが少ない時代。

なお、ただ変遷をご紹介するのもつまらないので、

今、散らかっていて悩んでいる方が実践できそうなことは
逆にやってはいけないことは

で太字にしてあります。
備忘録的にベタ打ちしたものですが、少しでも参考になることがあればうれしいです。

2012年 汚部屋度:★★★★★


過去部屋02
全体写真はありません...

◎入居スタート。荷ほどきをするも部屋には足の踏み場もない状態。何がどこにあるかわからない... 遊びに来た両親に(こんな事情なので来てほしくなかった)心底呆れられる。
◎ネコ好きな元上司に、猫写真(inスマホ)を見せたら、Before&Afterを比較してモチベーションを上げるために撮っておいた足の踏み場もない部屋を見られてしまい、絶句される...
◎夫が「ダンボールは猫が遊ぶから捨てちゃだめ」と言うので部屋のあちこちにamazonのダンボールが溜まっていく(猫は遊ぶ気配なし)
◎【家事ノート(著書参考)】の元になるものを作りはじめる。まずは大学時代と同じく、ノートに全ての行動やログを記録していく。が、毎日の家事をその都度書き込むのが面倒でうまく回らず。
とりあえずなんとか押し込めようと収納家具を色々買い込む



まず部屋の写真を撮っておくのがおすすめ。一箇所でもいいから完璧に片づけてみる。また、片づける前に写真を見て、どんなふうに散らかっているのかをチェックするとすすめやすい。服が山のようになっているなら、まずはそれをかきあつめるカゴを用意する、など。

ただし... 私のように写メを見られてしまうと引かれるので注意。この事件以来、写真を取らなくなったので、ひどい時代の写真がほとんどありません。また、全体像も撮ろうと思わなかった。いかにして汚くなく猫を撮影するかを研究していました...。

そのほかにやったことや失敗。新しく入ってくるゴミはなるべくどんどん捨てる。散らかっているときに新しい収納を増やさない。





2013年 汚部屋度:★★★☆☆

過去部屋04
扉の向こうはモノだらけ...


片づけ本、家事の本を読み漁る
◎「何が入っているかわからない」箱が10箱以下になる。
◎【家事ノート(著書参考)】の媒体を色々変えて研究する。単語帳、カレンダー、手帳など。ノートを使うときも家事リストの記入方法に頭を悩ませる。くり返しのものをラクにするためにスタンプを作ってみたり(消しゴムはんこなので手間がかかって挫折)、家事リストをシール印刷して日々貼る形にしたり(頻繁に印刷するのが面倒になって挫折)など。
◎【ログ】の元になるものをEvernoteで作成しはじめる。(たとえば収納家具のサイズ、どの場所になにが入っているかなど)
◎ダンボールを夫にばれないように1つずつこっそり捨てる。
◎こんまりさんの本に出会う。クローゼットと玄関が片づく。ものがだいぶ減る。減らせなかったのは本類。全出ししたあとについ読んでしまい、一層散らかる



家事や片づけの本を読むとモチベーションが上がるのでおすすめ。ただし、やった気になってしまうと意味がないので、必ずなにか一つ片づける。

本を片づけるときは「開かない」。まずはカテゴリごとに分けるなど機械的に作業をする。


2014年 汚部屋度:★★☆☆☆


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扉が開きました!


◎自分のなかの片づけブームピーク。片づけ系ブログを読み漁り、本も読み漁り、モチベーションを維持しながら大量のものを捨てる
◎2匹目の子猫を迎え、激しいイタズラにより、キッチンの上にあったものをすべてなくす。
◎家事の大まかな分類を考える。毎日すること、週1のこと、天気によってすることなど。
◎「何が入っているかわからない」箱がなくなる。
◎本や漫画を300冊ほど売る。売り方の手順をまとめて次回以降のハードルを下げる



とにかく「モチベーションの維持」が大切。ブログは手軽に読めるので特におすすめ。有名な方の過去ブログなども。この時期私の支えになったのは、ゆるりまいさんの「なんにもないぶろぐ」。逆に、こういう生活をしたいという理想の意味でcoyukiさんの「Little Home」。

捨て方や売り方の手順をまとめておくと、次回以降のハードルが下がる。粗大ごみの捨て方や、いつも売っているショップの梱包方法、持ちものリストなど。(【家事ノート】のログにまとめておくと良いです)


2015年 汚部屋度:☆☆☆☆☆

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3日間だけミニマリストになりました!


整理収納アドバイザーの資格取得
ブログを開設し「とっておき家事」で着々と見直しをすすめる
◎妊娠を機に、さらにものを厳選していく。使わないけれど夫をうまく説得できず、「捨てるな」と言われていた収納家具や大物家具をやっと処分。その数15点ほど(もっと?)
◎夫の絶対に使わないものたちを大量処分。
◎本や漫画を50冊ほど売る。古いゲーム機(スーファミなど)やソフト、合計30点ほどを売る。
◎家具の配置に悩んでいたため、部屋の改装をお願いする。インテリアを新しく用意してもらう。
◎新しい収納家具に合わせて、自分で収納や動線を考え、微調整していく。
◎毎日生活感のない状態で暮らすことが可能に。



整理収納アドバイザーの講座で出会った人は、半分が「片づけ大好き(または仕事にしたい)人」。でも残りの半分は「片づけられなくて困っている人」。仕事にしないのならば2級取得で十分! 1日で取れるので、片づけ系の資格を目指してみるのもありだと思います。

ブログやSNSなどを通して、片づけ状況を書いてみるのも手。
当時は知らなかったけれどこれはやってみたかった!と思うのがmocaさんの『お片付けノート』です。twitterのハッシュタグも人気。著書もおありです(後述)

上の画像のように、一旦すべてなくして、家具をすべて一新。
収納家具については入れたいもの動線、収納の形状などを考えたうえでご相談しつつ、おしゃれなものを作ってもらいました。

猫と部屋
ミニマリストになったのは改装準備のためでした。
でも、あれだけあったものを全て減らしたのは自力です。
実際にはほとんどが不要なものでした。


改装費用は結構かかっていますが、育児に備えて引っ越していたと仮定すると、この改装にかかった費用(数十万円)よりも、100万円近く多くかかっていたはずです・・・。

※引越し代や初期費用、新居に合わせた家具、ずっと住むわけではないので数年後にそれらの組み合わせがもう1度発生。希望に合う部屋は、家賃を月額+2万円以上上げなければ見つからなかったので、2年間住んでいたらそれだけで今の住まいより+24万円... と、考えるだけでも痛い出費。

引っ越さずに小さな部屋を改造して暮らす。かかるお金も最小限ですみ、何よりおしゃれになったのが幸せです。

2016年 汚部屋度:☆☆☆☆☆

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◎出産に伴い、ものがどんどん増えていく。一時的にリバウンド→片づくをくり返す。子どもがいる以上「生活感がない部屋」は無理だと諦め、できるだけ散らからない工夫と、散らかった場合の定位置見直しと、散らかってもOKというマイルール決めで乗り切る。
◎時間を生み出すために少しずつブラッシュアップを続けていた【家事ノート】の習慣をしっかり根付かせる(著書参考)。家事や育児がうまく回ると少しゆとりができるので、そこで片づける。
◎慣れない生活に疲れたときこそ手を動かす
自分の「散らかしてしまうとき」の傾向を分析する。たとえば気力、女性ならPMSなんかもあったりする。その時期を意識するだけでも変わる。


リバウンドしても大丈夫。ものが増えていたら捨てればいいのだし、収納が合っていないときは作り直せばいい。リバウンドした自分を責めないのも大切だと気がつきました。

イライラしたとき。嫌なことがあったとき。何もしたくなくなって散らかってしまうと、さらにイライラする負のループに。そういうときこそ目の前のものを「1つでも」いいから片づける。

部屋が散らかるときの傾向を分析する。曜日、時間帯、特にどの場所など。自分の体調や気力も関係がある。分析して苦手だと思った部分はまず「意識」するだけでも変わる。


2017年 汚部屋度:☆☆☆☆☆

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◎夫に「捨てるな」と言われていた大物家具、説得してようやく処分できる(ベビーベッド等はレンタルがおすすめ。購入したのにひと月しか使わず場所だけ取って後悔しました)
◎娘の成長に合わせて、定位置と家具の配置を見直す。動き出してからはひと月ごとくらい・・・。大変だったけれど部屋がぐっと広くなる。
◎楽しむ収納を研究する。子どもが遊びながら片づけられる仕組みや、クローゼットを活用して子どものための小さな部屋づくりなど。
◎日々のとっておき家事や、毎月設定している家事などを通して、ものを一度全部出して、中身を見直し、もっと使いやすくなるようにしまい直すということをくり返していく


大物家具などによって動線が悪くなっていると、散らかりにつながる。使わなくてじゃまだと思うものは、家族を説得したうえで処分したほうがいい...。
一度決めた定位置も、定期的に見直してブラッシュアップしていくと便利。

****

さて、ここまで5年間のわが家の変遷と、自分の体験談にもとづき、片づいていない方向けの情報をご紹介してきました。

(インテリア関連はプロにお願いしていますが)、片づけをプロにお願いしなかったのは、恥ずかしかったからです。
もちろん、整理収納アドバイザーをはじめとする、現場でのお片付けをお仕事にしている方は、散らかった部屋を見慣れています。だから恥ずかしがることなんてないのです。

が、「せめてここまで片づけてから...!」と片づけを続けていたら、なんとか終わりました。また、出産のために「部屋を広くしないと!」というきっかけがあったのも大きいです。

私は自力でなんとかやりましたが、3年以上かかっています。正直な感想をいうと、めちゃくちゃ大変でした。何度も投げ出したくなりました。
だから、どうしようもないときは、プロに頼ってしまっていいと思います...

(※たまにご依頼をいただきますが、私はお片づけサービスを承っていません。
整理収納アドバイザーにはおもに2タイプの方がいます。一般家庭や企業で片づけのお手伝いをする方と、アドバイザーを育てる講師になる方。
ただ、私はどちらでもなく、自分が一番得意な「書くこと」を通してお片づけや暮らしにまつわる悩みから脱出する方法をお伝えしたいと思っています!)



今日、7月26日のとっておき家事では「2017年」の部分にもある見直し作業として、《棚の見直し》をテーマにしました。


テレビ下の台3段を見直しました。
手順はいずれも「全部出す」→「必要なものと不要なものを区別する」→「場合によってはものを移動させたり、新しく足したりして入れ直す」です。

【1段目】掃除グッズスペース
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娘のものなども入っていましたが、掃除グッズだけに。
新しく追加したのは「あとでウエスにしたいタオル」。

【2段目】コード類

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コード類はカテゴリごとに分けてクリアポーチに入れ、立てています。
「PCまわり」「カメラ」「MP3」「ゲーム関連」など。「不明」ポーチも大切!なにかわからないものはとりあえずここへ。

【3段目】娘のお世話セット

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おむつ替えセットのほか、スタイもここにまとめました。
左側にあるのは防臭袋。下にストックを入れました。

汚部屋脱出に要した期間は3年。
それからも少しずつ見直しは続けていて、今は本当に毎日が快適です。片づけは日々ブラッシュアップしていくのが大切だと思っています。


Before

過去部屋02


After
猫と部屋



365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修行』

7月26日 テスト

▼0話目から読む
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html




小学生のころ、テストは楽しみな時間のひとつだった。
授業の終わりに行う小テストも「本番のテスト」も、早く終わらせて先生に答案を提出すれば、教室の後ろに並べられた本を読んでも良かったのだ。ほかのクラスは違うらしかったから、花夜子のクラスだけの特別ルールだったのかもしれない。

ずらりと並んでいるのは伝記など難しそうな本や、古典名作だけれども古くて分厚い本ばかりだったので、周りの子たちは敬遠して、早く終わっても居眠りしていることが多かったけれど、花夜子は急いで問題を解いて先生に提出し、本の世界にどっぷりと浸かるのが楽しみだった。

先生が変わるまでの2年間で、後ろにあった本を読み尽くすことはできなかった。それくらいたくさんあったのだ。また、特にお気に入りの本は、半年ほど空けて再読したのもある。ちなみに『ああ無情(レ・ミゼラブル)』と『小公女』、そして『小公子』。『若草物語』も何度も読んだ。

ふとベビーベッドのほうへ目をやると、優花はオルゴールメリーに見入っていた。
冷蔵庫からいちごジャムを取り出し、炭酸水で割って、氷を入れたグラスに注ぐ。しゅわしゅわと泡の弾ける音が部屋のなかに響く。
『赤毛のアン』に出てくる、いちご水というのがどんな飲みものなのかよくわかっていないのだけれど、こういうものなんじゃないかと、いつだったかあまりもので作って飲むようになったものだ。

そう、どうしてこんなことを思い出したのかというと。優花を連れて、近所のスーパーで買いものをしていたら、突然おじいさんに話しかけられたのがきっかけだった。

「木村さん」

トマトを持ったまま振り返ると、背の高いおじいさんがほほ笑んでいた。
旧姓で花夜子を呼ぶその声には聞き覚えがあったけれど、花夜子のなかで、その人の姿と声とが結びつかなかった。

「ああ、やっぱり木村さんだ。変わらないねえ」

おじいさんはくしゃっと笑った。
困惑している花夜子に「無理もないか、もう定年退職していてね、今年で66になるんだ」と彼は言う。

「三上先生」

そのおじいさんは、花夜子の小学校のときの担任の先生だったのだ。

確か当時でも50歳近かったけれど、日に焼けて精悍な感じで、背がすっと高く、しゃきしゃき歩く人だった。長身は相変わらずだけれど肌がぼうっと青白く、血管が透けて見える様子や、白く薄くなった髪の毛などを見ると、ほんとうに別の人のようだ。

三上先生は、胸ポケットからメモ帳を取り出すと(先生は昔からメモ魔だったので『三上メモ』と呼ばれるものだった)さらさらと住所を書きつけて「娘のところで世話になっているんだけどね、よかったら今度遊びにおいで」とひらひら手を振った。

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