就活をしていたとき、行き帰りによく駅でパスタを食べました。いつも頼むのが「アボカドクリームパスタ」!。えびが入っているものだったり、トマトとモッツァレラチーズだったり。
家でも食べられないかな、と、作ってみることに。



今日、8月1日のとっておき家事では《アボカドクリームパスタを作る》をテーマにしました。

image


ネットでいろいろレシピを見ていたけれど、どのレシピも調味料が多くてむずかしそうと断念。ただ、調べていてわかったのは「アボカドはつぶしただけでも結構クリーム状になるようだ」ということ。

そこで、自宅にあったマヨネーズとめんつゆと、つぶしたアボカドだけで作ってみました。もう少し塩コショウを入れればよかったとは思うけれど、これでも十分おいしい。

「むずかしそう」と思っていることが意外とかんたんだった。そういうことが割とよくあります。


365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修業』

8月1日 予感


▼0話目から読む
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html




「ああ、やっぱりそうだったか」

玄関先で花夜子とスウを見るなり、三上先生は、納得したようにうなずいて、それから顔をくしゃっとさせてそう言った。
スーパーで出会ったときの「おじいちゃん」っぽい先生ではなく、「三上先生」の顔をしていた。


「佐々木くん、久しぶりだね。背がずいぶん伸びたね」

先生のお嬢さんが出してくれた冷茶を飲みながら、ふと顔を上げる。定年退職して、奥さんを亡くしてから、先生はうちから徒歩数分のところに住んでいたのだ。

このあたりはマンションやアパートが立ち並んでいるのだけれど、公園の周りには一軒家もいくつかある。昔ながらの古い家といった感じだ。

先生のお嬢さんは、私たちよりも10歳くらい年上だろうか。優花より少し大きな男の子が、よちよち歩きをしながら、お嬢さんと、花夜子の横で眠っている優花の間を行き来して、楽しげに笑っていた。

「先生、お会いしたときに『やっぱり』って言ったのはどうしてなんですか」と、スウが尋ねた。

「ああ、そうだね。君たちふたりが夫婦になったということがわかって、とても納得したんだ。そういう予感があったと言ったらいいだろうか。

教師生活を長くしていると、ふと、『ああ、この二人は結ばれるんだろうな』というのがわかるときがある。もちろんその場で答えは出ない。でも、彼らを見送って何年も立って、たとえばスーパーだったり、街の書店だったり、そういうところで歩いているときにふと『先生』となつかしい声がする。

振り返ると、最初は戸惑う。私の知っている彼らは子どもの姿をしているからね。でも、彼らの名前と顔が一致するとき、自分の予感が当たったことがわかって、妙に納得することがあるんだよ」

先生は髪を染めない主義らしく、年齢の割に、髪の毛はきれいな白髪になっていて、それが庭に面した引き戸から差し込んでくる光できらきらと輝いている。

「よかったらお昼ごはんを召し上がっていってくださいね。かんたんなものしかないけれど」

お嬢さんはそう言って、手際よくちゃぶ台をふきんで拭き、ごはんを並べていった。
がらすの器に一口大に盛りつけられたそうめん。お刺身が3種類。山盛りの枝豆。お漬物。それから温かい汁もの(これはすり流しだろうか)。

素敵な献立。花夜子は思った。
紫鶴子さんと出会う前の花夜子だったら「ああ、ふつうはこんなにたっぷり出せるのか、花夜子はなんてだめなんだろう」と悲観的になったと思う。でも今回は違う。

この献立が素敵なのは、とても豪華に見えるけれど、お嬢さんがいうようにそんなに手がかかっていないところなのだ。そうめんは茹でて盛りつけるだけだし、枝豆もそう。お刺身も買って盛るだけ。お漬物は作ったものか買ったものをそのまま出せばいい。つまり、この汁もの以外は手早く用意できるのだ。

また一ついいことを学んだ。ほくほくした気持ちで箸をつけると、お嬢さんと目が合った。「すごくおいしそうに食べるんですね」と言って、彼女はふっくらとほほ笑んだ。

帰り際、三上先生が言った。

「さっき、予感の話をしたでしょう。でもね、まれに、数十年に一度、予感ではなくてもっと絶対的な、確信めいた気持ちになるときがあるんですよ。
それがまさに君たちだった。最初から二人で一つのように見えた。あとにも先にもそんなことはなかったから、今考えても不思議だよ。まるで結ばれるために生まれてきた二人、のような。

年甲斐もなく"ろまんちっく”な話をしてしまったね。でもね、私は本当にそう感じたんだよ」


b_ornament_112_0L

この記事が気に入っていただけたら、
“応援の1クリック”をお願いします♡
更新の励みになります。


にほんブログ村 その他生活ブログ 家事へ
にほんブログ村

※ブログへの応援ポイントのようなものです。
1日1回(1端末につき)押していただくとポイントが入り、
ブログサイト内での順位が上がります。
そうすると色々な方に読んでいただくきっかけに。


▼こちらも参加しています

人気ブログランキングへ
b_ornament_112_0L

▼はじめての著書です。ノートを使って家事のストレスをなくそうというもの。
この本では紙のノートをすすめていますが、ノートはどんなものでもいいですし、Evernoteなどのクラウドサービスでもご自分にあったやり方でどうぞ。
また、「ノートを書くのは苦手」という方にも役立つ情報を盛り込むよう心がけました。
image

時間が貯まる 魔法の家事ノート [単行本(ソフトカバー)]

↑ Amazonでもご購入いただけます。
重版出来! 3刷です。


▼家事がラクになる! 魔法のノート術記事、いろいろ書いています♡

原本を作っておけば使いまわせる《基本の間取り図》
迷わない「おそうじレシピ」を作ろう
残しておきたい資料は「ゲージパンチ」でまとめよう




最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。


*とっておき家事とは?
毎日その日の記念日や誕生花、あるいはその時期にやっておきたい家しごとなどを1日1つ行なっていくものです。内容は、いわゆる家事だけでなく、季節イベントの準備やお付き合い、家族と楽しく過ごす工夫・・・など幅広く設定しています。


*初めましての方はこちらへどうぞ(^^)
このブログの目次と、自己紹介です。
毎日をカラフルにするとっておき用語集

*レオパレス21情報サイト「ひとり暮らしLab」連載記事のご紹介
連載《片づけが好きになるヒント》はこちら。
http://hitorigurashi-lab.com/author/rinca

*ESSE online でも連載中!
https://esse-online.jp/esse_author/三條凛花


*ご依頼・メッセージはこちらから
お問い合わせフォーム

▼お仕事・取材のご依頼の前に必ずご確認くださいませ。

お問い合わせ前にご確認いただきたいこと

▼書籍化をご検討いただける場合こちらをご覧くださいませ。

書籍の企画書 ~こんな本を作ってみたい~

▼Instagramやってます…✨
https://www.instagram.com/rinca_fukafuka/

image




▼トラコミュを作ってみました。
「暮らしを少しずつ整えていく」。そのためにしていることがあればぜひ教えてください。
明日のためにできるシンプルなこと