家電を買いにいくのがいやで、10年以上使い、限界を超えた冷蔵庫と電子レンジをそのまま使っています。ようやく重い腰を上げることができたのですが、なぜこんなに時間がかかったかというと【わからなかった】から。

「わからない」をなくして、家電迷子から一歩抜け出せたお話です。



「冷蔵庫、買いに行こうか」
何度そうして夫と家電量販店に足を運んだかわかりません。でも、毎回20分ほどうろうろしては、諦めて帰ります。

高価な買いものだから、失敗することがこわかったのです。


必要に迫られて購入したパソコンやプリンタは、説明を聞いてもよくわからず、(予算の範囲内だし、売れているのなら)と選びました。
でも、いざ届いてみると、自分の使い方にまったく合わないのです。

「ここの機能がほしかったんだな」
「ああ、ここって大事だった」

とくに、これまで使っていたものに当然のようにあった機能などは、自分のなかであって当たり前の【デフォルト】となっています。だから、改めて買うときに意識することがなく、それが失われてから気づくこともよくありました。

そう、私が家電の買い替えを不得手とするのは、こうした【わからない】(知識がない/選び方がわからない)による失敗が原因だったのです。

今日、8月30日のとっておき家事では《家電の買い替え》をテーマにしました。
10年使った電子レンジと、ついでに冷蔵庫。はじめて納得して決めることができたので、その過程で行ったことをご紹介します。

比較表の作り方

著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』のなかで、買いもの前に作るウィッシュリストを紹介しています。

日々作る必要はありませんが、こうした「失敗したくない買いもの」や、「これから定番にしていきたいものをふるいにかける段階」で作るととても便利です。

作り方は自由です。
でも、今回のように複数の候補から選ぶときは【比較表】を作るととても便利。

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*作り方のポイント*
①項目の抜き出し方。メーカーの商品ページや比較サイト、Amazonの仕様などをチェック。「自分に必要そうな項目」のみ抜き出します。
②買い替えの場合、【今使用しているもの】のスペックを必ず記入します。こうすることで隠れた希望(あって当たり前の機能)や、困りごとがわかります。
③いくつか似たスペックのものを比較します。最後は1列あけます。
④購入したら、買った商品に○をつけます。ここにあるもの以外を購入した場合は、赤字で最後の1列にスペックを記入します。



今回、私は比較していったものではないものを購入しました。
理由は電子レンジのサイズを小型と決めていたのが、置き場所である冷蔵庫が小さいから。幅45cm以下でなければ置けません。となると、一人暮らし用の小さなものしか設置できないのです。

でも、冷蔵庫も合わせて急遽買い替えることになったので、中型のレンジを置けることになり、当初検討していなかったものがたくさん候補に出てきました。

中型のものは機能面がいろいろと増えます。考えてもいなかったジャンルなので知識はあまりありません。
ただ、今回メモしたことを参考に、自分の希望がしっかり把握できたので、「ここは押さえておきたい」という点を参考に、残りはデザインで判断。納得して購入することができました。


▼なお、当初の計画通り、一人暮らし用だったら。
お店ではじめて見つけたものですが「ほしい!」と思ったのがこちらです。


私にとって必要な機能は揃っているし、なにより見た目! とてもシンプルで、しかもボタンがすべて英語と記号でできているのです。インテリアに馴染みそうで一目惚れでした。


▼比較表を作るのには、いつものLIFEのルーズリーフ無罫でなく、こちらを使用しました。






365日のとっておき家事 Story 『ヒロインの親友』

8月30日 夏の果ての怪談・前編


▼0話目を読む/1日1話目安で更新しています
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html




あの歌が聴こえる。千字教団の祈り、というか、いまわしい歌詞の呪いの歌。

夢のなかで私は、あの夜にいた。
航くんに出会う数時間前。大晦日の夜に。

冬吾の家で、お義父さんになるはずだった人と、お義母さんになるはずだった人と、すき焼きを食べていた。わが家と同じだ、と思うと嬉しかった。卵をたっぷりといた中に、おいしい割り下で煮た牛肉をつけて、口に運ぶ。ビールにもよく合う。

大事な人の前でほど無口になりがちな私は、ふたりといつもより打ち解けて話せているのがうれしかった。お酒をいくらか飲んでいたせいもあるかもしれない。

上機嫌にいろいろなことを話し、ふと、窓から、今まで見たことのない、シーグラスをたくさんつなげたような飾りが下がっていることに気がついた。
「あれは北の砂浜で拾ってきたガラスでね...」という彼の声。それを見ていたら少しずつ気が遠くなってきた。


目を覚まして、最初は、ふるさとにいるのだと思った。
鏡のように雪がしきつめられているからだ。月のような光が雪をきらめかせていた。今考えると、その時に気づくべきだったのだ。この街に雪が積もるなんてありえないことに。東京の、雪のない冬に慣れてしまったせいか、あるいは今も体がだるく痺れる何らかの薬のせいか、私の感覚は鈍くなってしまっていた。

ふるさとでは、大晦日はいつも雪で、大荒れの日ばかりだった。
吹雪に目をつむりながら、家族全員でこの土地の神さまが祀られているという小さな神社へ行く。
中には土地の者が誰かしら待機していて、ストーヴをつけてもなお凍るような中に座り、お神酒やお供えものを置いてしばらくそこで過ごす。短い距離ではあるけれど、また吹雪のなかへ戻る。家に帰って、母のいれてくれたゆず湯に浸かる。


意識がはっきりしてきたのは、耳障りな「歌」のせいだった。

死んでも渡さん
わが子らを
西のものにも
東のものにも


空だと思っていたのはまっ暗な、プラネタリウムのような天井だった。そこに星が投影されているのだ。
いや、飲ませてもらったお酒に睡眠薬かなにかが入っていたと思うので、どこからどこまでが正しい記憶かはわからない。あいまいな意識のなかでぼうっと声のするほうに目をやると、たくさんの人が白い着物を身に着けて歌い、踊っていた。

その声は地の底から響く獣の声、というとしっくりくるだろうか。

「雪はなつかしい?」

隣には冬吾がいた。
「この地に住む人たちのいくらかは、昔、北のほうに住んでいたらしいよ。なんらかの理由で追われてきた人たちが集落を作り、発展させ、今では影響力のある集団にまでなっている。
最初は追われてきたこの地で生き抜くために考えだした手品みたいなものだったし、実際にそういう力があるとは俺は思わないんだけれど。でも信者は全国に散らばっている」

彼はいつになく饒舌だった。何を言っているのか、わからない。

「この雪は人口雪なんだ。
ここでは雪を崇拝している。自分たちのルーツである北につながるものを大切にしている。莫大なお金をかけてもね。だから、君が危害を加えられることはないよ」

冬吾の瞳は、踊る人たちの中心で燃え盛る炎に向けられていて(今思うとこれも記憶があやふやだ。人口雪があるなかで炎? と思う)、なにを言っているのかわからなかった。

でも確かなことは、冬吾はたぶん、私を好きでいてくれたのではない。プロポーズしてくれたのは別の目的があったのだ。

そのことがわかった瞬間、私のすべての世界ががらがらと音を立てて崩れていくのを感じた。気がつくと着の身着のまま駆け出していた。


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最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。


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