昨日の記事でご紹介している、年賀状のひとことコメントに困らなくなる【今年のハッピーニュース】、探し方のこつをご紹介します。


今日、11月13日のとっておき家事では《年賀状支度:ハッピーニュースを探す》をテーマにしました。

記憶というのは、とても不確かなものです。
その瞬間は「楽しかったなあ」「幸せだったなあ」と思っても、日々が上書きされていくなかで、忘れ去られているものも多いのではと感じます。

「ハッピーニュース探し」は、それを掘り起こしていく作業です。
年賀状のためだけでなく、年末に向けてやっておくのも楽しいです。

今日のとっておき家事ノート

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さて、ハッピーニュース探しにはこつがあります。
それは【素材】を用意すること。頭の中だけで思い出そうとするととても時間がかかりますが、【素材】があればサクサク探すことができます。

では、【素材】とはなにか。

①SNSの投稿(twitter、Instagram etc...)
②写真
③日記



の3つです。

探したい月の投稿や日記、写真を振り返ることですぐに見つけることができます。

たとえば【4月】のハッピーニュースを探してみます。

4a

いちごジャムを作ったり、娘が1歳になったり。

4b

品川アクアパークへ行ったこと(これは2月で既出なので省く)、
手作り和菓子(錦玉羹)に挑戦したこと、
公園の散歩が楽しかったこと...。

小さな「ハッピーニュース」がすぐに5つも見つかりました。


365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修業ヒロインの親友』

11月13日 はつ雪


▼0話目を読む/1日1話目安で更新しています
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html




父が亡くなったのは花夜子が20歳のときのことだ。まだ44歳だった。

その日の朝、テレビで地元で初雪が降ったことを告げるニュースを観たのを覚えている。花夜子は目玉焼きを乗せたトーストと、カット済み野菜にドレッシングをかけたものを用意した。
食べながら、ニュースを聴きながら、その日の授業で使う資料を読み込んでいた。それからコーヒーを飲もうと立ち上がり... そのあとの記憶がない。

おそらく、父の死を告げる電話があったのがその瞬間なのだと思う。
自分ではなんの記憶もないけれど、花夜子は喪主をつとめ、落ち込んでいた様子ではあったらしいが、人前では涙を見せず、ふつうに対応していたのだという。そして傍らには花夜子を支えるスウの姿があったとも聞く。


次の記憶は、年明けからだった。そう。2か月ほどの記憶がストンと抜け落ちていることになるのだ。その後の10年近くにわたる暮らしについても、記憶はあいまいなことが多い(もっともこれは、日々ぼうっとして過ごしていたからだとも思うけれど)。

この話を思い出すと「花夜子はもしや多重人格なのでは」と考えることもあるけれど、他の人から様子が変だとか、違った性格になっているだとか、そういうことも聞かないので、そういうわけでもなさそうだ。単にショックを受け止められなかったのかもしれない。

でも、紫鶴子さんと出会い、日々の暮らしをきちんと積み重ねていくようになってから、ほんのすこしずつ記憶が戻ってきている気もする。


今日の「修行」はさつまいも料理を作ることだった。
まずはスーパーに行き、選び方から紫鶴子さんに教わる。さつまいもは皮の一部が変色しているものを避けて選ぶのが大切だという。それから他の野菜や果物にも共通していえること。傷がなく、なめらかであること。また、表面に蜜がしみだしているさつまいもは甘味が強いのだという。

「さつまいもはお味噌汁に入れてもおいしいのですが、今日はかんたんなおやつを作りましょう」と紫鶴子さんが言う。

さつまいもは輪切りにして水にさらし、素揚げする。それだけ。

「これだけでも表面はカリッとして、中はほくほくで、とてもおいしくなりますよ」

食べものの話をするとき、紫鶴子さんはとてもうれしそうな顔をするので、本当に料理が好きなのだと感じる。教え方がすごくじょうずだから、きっと好きでしていることで、教師という仕事は天職だったんじゃないかとも感じる。

花夜子にはそんなふうに「特別に好きなこと」というのがない。だから、紫鶴子さんがうらやましいと時々思うのだった。


花夜子は休憩時間にはベランダに出てみることにしている。冷たくなってきた空気を胸いっぱいに吸い込んで、大きく吐き出して。そうすると気持ちが落ちつくような気がするのだ。優花はかわいいけれど、赤ちゃんとの暮らしは、自分の決めたリズムで生活することが出来ない不自由さもある。
だから、こうして一度リセットする時間を持つようにしているのだ。

「花夜子さん、本をめくってくれますか?」

振り向くと、うつむきがちに本に見入る紫鶴子さんがいた。幽霊になった今でも本が好きで、とはいえ触ることができない紫鶴子さんのために、休憩時間にはテーブルの上に本を開いておき、花夜子がめくってあげることにしている。

そして花夜子は思い出した。紫鶴子さんに感じた「どこかで会ったことがある」という気持ち。それは、父の通夜だったのではないだろうか。親せきの誰も知らない人なのに、誰よりも泣いていた人がいた。あれは紫鶴子さんだったのでは。
うつむきがちに伏せた表情を見て、花夜子の胸はざわざわした。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。


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