今日、6月16日は「和菓子の日」です。もともとは「嘉祥の日」だったもの。この日には16種類のお菓子を神さまにお供えし、厄払いがされていました。

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*目次*
 16種類のお菓子を無理なく用意する
 「丁寧な暮らし」について考えていること
   2つの「ものさし」で物事を見る
   矛盾した「ものさし」の扱い方
   「等身大の暮らし」を目指したい
 みんなのとて家事3選



16種類のお菓子を無理なく用意する

▼嘉祥の日について詳しくまとめたのはこちら。
http://365kaji.blog.jp/archives/20180612.html


今日の「嘉祥の日」に向けて、この1週間は「水まんじゅう研究」をしてきました。
定番のあんこ入りだけじゃなく、フルーツやゼリーを入れたものも作り、楽しい1週間でした。

当初は手作りにする予定だったけれど、「嘉祥の日」の由来を調べるうちに、今年は【16種類】を再現してみたくて、市販のお菓子を用意することに。

そこで選んだのは、京都の色とりどりのゼリー菓子!

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昔、京都みやげを探していて見つけたもの。この華やかな感じが好きで、京都に行くたびに買っていました。


「丁寧な暮らし」について考えていること


先日、「丁寧な暮らし」が呪縛になっているという記事を読みました。

私からみても”呪縛感”もあるような気がします。「丁寧な暮らし」だけに言えることではなくて、家事全般について思うことです。


私にはもともと、家事への苦手意識があり、それは恥ずかしさや情けない気持ちにつながっていました。
家事は「みんなができる当たり前のこと」という印象があったから。だから「当たり前のことができない自分=恥ずかしい」と思ったのです。


そして、当時「丁寧な暮らし」について持っていたのは、もっと複雑な気持ちです。

「雑な自分が恥ずかしい」という気持ち。
もともと手作りに憧れがあったので「私もそういう暮らしがしてみたい」という思い。
そして、「コンビニ弁当やレトルト食品に頼ってるけど、毎日精一杯生きていて、それは丁寧じゃないからいけないことなのだろうか?」という疑問。
今の自分自身や暮らしを誰からともなく否定されているようなちょっとした悔しさ、反発感。

こうしたものが、すべてごちゃまぜになっていたのでした。


では、ひと通り家事ができるようになって、季節行事や手作りもするようになった今は「丁寧な暮らし」なのでしょうか?

時々、ふと思います。

ようやく答えが出ました。私は今でも「丁寧な暮らし」は素敵だなと思うし、憧れるけれど「(だれが見ても)丁寧に暮らしている」と自信を持って言えるときは来ないような気がします。

いわゆる”丁寧な暮らし”に位置づけられる家事を、私は『憧れ家事』と呼んでいます。
(※この名称は昔、琳さんが考えてくれました)。

でも、私はこの「憧れ家事」も「時短」してしまいたいのです。最速で完成させたい。むだなくこなしたい。そう思っている時点で、「丁寧」からニュアンスがずれてきます。


そうして突き詰めていくうちに、自分の「着地点」がわかりました。



2つの「ものさし」で物事を見る


この数年、いろんなことを考えてきました。そして、気持ちをフラットに保つために必要なことは「人と比べないこと」だという結論になったのです。

当たり前のことだと思います。シンプルな結論。

でも、これって意外とむずかしいことです。

だって、自分以外の人と同じ「ものさし」を持つことはできないから。自分のなかにある「常識」と、相手の「様子」とを比べているのです。


私は今、物事をやるかやらないか決めるとき、2つのものさしを使っています。

ひとつは「気持ち」。
言い換えれば理想。憧れ。

もうひとつは「性格・スキル」。
言い換えれば、現実。


人と比べてしまうのは、この2つが矛盾しているときに起きやすいのだと私は思います。

たとえば、
「丁寧な暮らしをしたい(理想)」。
でも、
「雑で面倒くさがりな性格の自分(性格)」。


だから、自分にとって「面倒くさそうかどうか?」で他の人の生活を見ています。そして、「この人はこんなにすごいことを日々こなしている。自分には到底できない。恥ずかしいな……」と落ち込んでいたのです。

でも、これって、あくまでも私自身の気持ちなんだ、と気がつきました。


相手にとっては、その暮らしは実は簡単ですぐにできる生活に溶け込んだものなのかもしれない。
元からもっているスキルや性格、センスのおかげかもしれない。環境に助けられているのかもしれない。努力を積み重ねて身につけたものかもしれない。「好き」で「楽しい」からできているのかもしれない。

相手のことを100%読み取ることはできないのです。



矛盾した「ものさし」の扱い方

じゃあ、矛盾した2つのものさしは、いったいどうしたらいいのでしょうか。

もやもやしてしまうのは、現状維持をしているから。だから、こうした矛盾に気がついたら、次のどちらかを選ぶようにしています。


(1)気持ちにケリをつける。

簡単に言うと、その理想を諦めることです。実際に諦めたものとしては出産前に、趣味の「ハンドメイド」をやめました。

ほんとうは「子どもができたら、手作りのものをたくさん作りたい!」と昔から思っていました。でも、そう考えるほどにもやもやした気持ちになって、気がついたのです。

「これは確かにやりたいことだけれど、もっとやりたいことが他にたくさんある」

ハンドメイドは入園準備までお休みすることにしました。


自分で答えを出し、それからやめれば、意外とすっきりします。


(2)気持ちに現状を寄せていく

もう一つは気持ちに合わせることです。
理想の生活に近づくために、今の自分に足りないものを埋めていくのです。

私は今、梅しごとを純粋に楽しく思いながらやっています。数年前はそうではなかったのです。憧れるけれど、面倒に感じる。やりたいのに、腰が上がらない。

だから、自分に足りなかったものを埋めました。

梅しごとをするための知識を得るために、調べる。実際にやってみる。そして「ログ」を取る。マニュアルを作る。

私が面倒だったのは、調べたり、準備したり、ぐずぐずと迷ったりすることだったのです。だから、そうしたものを取り除いて、「すぐにできる状態」を作っておいたことで、純粋に楽しいだけのものに変わりました。

ほかにも、「練習する」「資格を取る」「○○力を身につける」「~についての本を読む」など、理想の状態に近づくために埋められることはいろいろあります。

遠回りになるし、根気も必要だけど、いろんな物事に応用できる力が身につくんじゃないかな、と思いながらやっています。

でも、これは「やめてもいいかも」と思うくらいの事柄だと挫折します。


私は、「等身大の暮らし」を目指そう


今、私が意識しているのは「等身大の暮らし」です。

私にとって大切なこと。

それは「たのしく、かんたんに」です。そこからはみ出すものはやらない。どうしてもやりたいなら、たのしくする。かんたんにする。

いわゆる「丁寧な暮らし」と言われているものの中でも、自分が本当にやりたいことだけをやる。人がやってるからやろう、ではなく、「あの人がしていたこれは、『私にも』面白そうだったからやろう」というように、自分の考えを必ず埋め込む。

そこに時短要素を取り入れたりする。
たとえば、きょうの嘉祥の日は16種類のお菓子を手作りするのではなく、買って食べる。

楽しければそれでいい。

背伸びをしすぎない。

無理をしない。


「等身大の暮らし」で私が目指すのは、人と比べず、人に流されないこと。自分が好きなことをたっぷり日常に詰め込んで、かんたんに、たのしく生きる方法を模索していきます。



365日のとっておき家事 Story『√365』

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CharacterDesign & Illustration : イラストレーター・ねこがえるさん

おまけで毎週月曜日に更新している1話完結の家事小説です。
▼0話目・目次はこちらへ。
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/route365/0.html



みんなのとて家事3選

外回り編!とても素晴らしい着眼点です。うちも玄関先を見直してみようかな、と思います。

夜の過ごし方。何年も前に考えたきりだったので、私もアップデートしたくなりました。


天気を生かしたとっておき家事の選び方が素敵です。





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【著書】---暮らしをラクに楽しくするヒント集---

もっと動ける私になる! 魔法の家事時間割
三條 凛花
扶桑社
2018-03-09
三條凛花の魔法シリーズ、第2弾です。この本を読むと「今すぐ動ける」ようになります。その方法として
今すぐできるものから、じっくり問題解決するものまで、合計5つの「魔法」をご紹介しました。
中でもメインテーマは「家事の時間割」です。1作目でご紹介した「スケジュール」とは違い、1日の流れを確認するための表。時間に縛られる必要はありませんが、時間の波にうまく乗ることで、スムーズに家事が捗ります。




365日のとっておき家事: もっと暮らしやすい家と時短のしくみづくり (単行本)
三條 凛花
三笠書房
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この本を読むと「やりたいことがたくさんあるのにうまく回らない」という悩みが解決します。1日にひとつだけ、少し特別なことをするのです。これを「とっておき家事」と呼びます。でも、それを続けていくためにはこつがあります。そこで、とっておき家事をどなたでも続けやすいようにメソッド化し、今日やりたい家事テーマがすぐに決まる"公式ガイドブック"としてつくりました。


時間が貯まる 魔法の家事ノート
三條 凛花
扶桑社
2017-03-02
この本を読むと「考えない、探さない、迷わない暮らし」を手に入れることができます。暮らしや家事にまつわる情報をすべて1冊のノートにまとめるのです。作るのに時間は必要です。でも、1度作ってしまえば、何度も調べ直す必要がなくなります。この本では、まとめ方のこつと、まとめておくと便利なことを実例を交えてご紹介しています。\重版! 6刷です/


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【Q&A】 ---このブログについて---

Q. このブログは、どんなブログ?

このブログのキーワードを3つに絞るとしたら、「とっておき家事」「ノート術」「時間術」です。
私が「とっておき家事」で行った内容と気づきがおもな更新内容です。なるべく読みものとして楽しんでいただけるよう、心がけています。

Q.だれが書いているの?

三條 凛花(さんじょう りんか)といいます。整理収納アドバイザー1級の資格を保有しています。コラムやエッセイを書くのがおもなお仕事です。
ほんの数年前まで、足の踏み場もない部屋に住み、日々の家事もままならない状態でした。そこから自力で脱出し、人並みに家事ができるように。今の私にとって、家事とは「心を整えるツール」と呼べるくらい、かけがえのないものになっています。(もちろん、面倒だ!と思うときもありますが)
そのため、このブログでは掃除術やお料理術などを紹介することはほとんどありません。家事そのものというよりも、どうしたら家事が楽しくラクになるのか? というヒントを日々研究していくブログだとお考えください。

Q.とっておき家事とは?

とっておき家事は、1日ひとつ、ふだんの家事に加えて少しだけ特別なことをするものです。「家事」とついていますが、どこまでを「とっておき家事」と設定するかの線引きは自分で決めます。私は「家事=イエのコト」とし、家で行うこと全般や家族のことなど幅広く取り組んでいます。さらに詳しく知りたい方は、著書『
365日のとっておき家事』をご覧ください。また、ほかの方の実例はtwitterのハッシュタグ「 #とっておき家事 」をご参照ください。

Q.とて家事ラボとは?

「とて家事ラボ」は、とっておき家事に挑戦してみたい読者さんをサポートするために作った無料のグループです。次回の募集は2018年12月です。


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最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。



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