子どものための「手作りおもちゃ」。
先日作っていた魚釣りセットをアップグレードしました。
色画用紙、筆記用具、クリップ、テープがあれば作れます。ラミネート加工用フィルムがあると強化可能!
身じたくもすべて終え、出かける準備も終わったところで、ふと外を見たら雨が。
児童館に遊びに行けなくなったのでどうしようかと思っていたのですが「今日やるはずだった魚釣りを家でやってみよう」と思い立ちました。
そこで色画用紙などを出してきて工作タイムに。
海の生き物の形に切った色画用紙。
娘にはそこに自由にお絵かきしてもらい、その間に私が量産していきます。
かなり気に入ってくれたのですが、自分のなかではかなり力作だった真珠貝(写真上)は、作成後1分で無残な姿になってしまいました。
そこで、ラミネート加工に挑戦することに。
今日のとっておき家事ノート
ラミネート加工に必要なフィルムは100均で購入できます。
何も知らず適当に買ったのですが「専用の機械(ラミネート機)が必要なもの」と「不要なもの」があるらしく、私が購入したのは「機械が必要なもの」でした。
ただ、これはアイロンで代用できるらしく(専用のものではないため、自己責任の範囲でやりました)、仕上がりはいまいちですが、この魚釣りセットくらいであればとくに気になりません。
フィルムに挟んだらまわりを切って。
こんなふうになりました。
作るときにちょっとした「テーマ」を決めてみました。
それは【海の宝石】。きれいな色で、可愛く作ろう!と。
宝石は、ラミネートフィルムにセロハン紙を挟み、プレスして、好きな形に切って宝石の線を描きこみました。
私は描くのが好きなので手作りしましたが、たとえば図鑑などの魚の絵・写真をコピーして、それをラミネート加工すれば、もっと手軽にリアルな魚釣りセットができそう。
魚釣りセットは複数作りたいと思っていて、今回の【海の宝石】シリーズ以外に、【リアルな魚】シリーズをいつか用意するつもりでいます。
365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修業』
9月18日 川村のおっちゃん
▼0話目を読む/1日1話目安で更新しています
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html
「川村のおっちゃんがさ、また騒いでるんだって。
うちにじいちゃんの幽霊が出るって」
夕飯の配膳をする花夜子に、スウが呆れた顔をして言った。「川村のおっちゃん」というのは、彼の伯父のことだ。悪い人ではないけれど、ちょっとしたうそをつく人なので、一族の中ではちょっと困り者扱いされている。
そのうそとは「霊感がある」というものだ。花夜子にはもちろん、彼の言っていることがうそだとすぐにわかってしまった。
「離婚が原因なのかもな。
幽霊のことだけじゃなく、うそをつくようになったの、それからだもんな」
同じことを正月に会った親戚たちが言っていたのを覚えている。
「川村のおっちゃん」とその家族に花夜子がはじめて会ったのはたぶん、かあさんが亡くなったときだと思う。
川村のおっちゃんは、花夜子のとうさんの同級生でもあるのだ。たぶん、だから葬儀に来てくれていたのだと思う。
慌ただしく準備が進む間、家にいてもじゃまになるだけだから、スウと彼の従兄たちといっしょに裏の公園でぼうっとしていたら、女の子に声をかけられた。
花夜子やスウよりも3つか4つほど上だろうか。
「従姉の舞ちゃん」とスウに紹介されたその子は、髪の毛をきちんと三つ編みにして、いちごモチーフのついた細いゴムで結わえていた。
日焼けした浅黒い肌に眼鏡をかけていて、まっ白な歯が印象的な子だった。
舞ちゃんは、その落ち着いたおとなしそうな風貌とはうらはらな行動で花夜子たちを驚かせた。抜けた前歯のすきまから舌を出し、目をまんなかに寄せて鼻孔を押し上げるという面白い顔をしてみせたのだ。
でも第一印象から感じたように面倒見がよい子でもあった。
まるで姉のように花夜子の手を引いて、公園のすみの草むらに連れて行くと、しろつめくさやたんぽぽを編み込んだ、かわいい花かんむりをてきぱきと作ってくれた。
「あのね、悲しいときも笑うといいんだって。
むりにでも笑顔をつくったほうが、ちょっとだけ元気になれるよってとうちゃんが言ってたよ。でもね、やりすぎはキンモツなの」
その年頃の女の子らしく、舞ちゃんはませた口調ではきはきと言った。
「……ここって静かなところだねえ」
舞ちゃんがつぶやく。当時 ”川村のおっちゃん” 一家は横浜に住んでいたのだ。
花夜子たちは、草むらに寝ころんで空を見ていた。
ラムネ色の空に、綿菓子をちぎったような雲がゆっくり流れていく。膝のうえにありらしき虫が這っていく気配がする。
しっとりと草のにおいが漂う。
「おーい」と、間延びした声に体を起こすと、遠くの木陰で "川村のおっちゃん” が手を振っている。舞ちゃんがわらった。おっちゃんもほほ笑んだ。
今思うと、ちょっと無理のある笑顔だった。
当時は離婚の話し合いの最中だったのかもしれない。だから、二人ともがんばって笑顔を作っていたのかもとふと思った。
「舞ちゃんはどうしてる?」
花夜子が訊くとスウは「よく覚えてるね」と目を大きくした。
「X県にいるよ」
そこは花夜子たちのふるさとの、隣の県だった。
「俺もおっちゃんたちが離婚してからは会ってないんだ。だから母さんに聞いた話だけど。
あの子は高校を出てから、東京の会社で事務員をしてたよ。そこで知り合った人と結婚して、一緒にUターンして。今は子どもが3人いるって」
「花夜子、会ってみたい。
かあさんが亡くなったとき、優しくしてくれたのをたまに思い出すの」
「じゃ、正月に帰ったときにでも誘ってみようか。
明日かあさんに連絡してみるよ。そういえば3人めの子どもは優花と同じ学年だったっけ」
「おっちゃんも呼んであげてね」と花夜子がいうと、スウは顔をくしゃっとさせて「そうしたら本当に笑えるな」と答えた。
ああ、スウもあのとき気づいていたのだと思った。
そして花夜子は、親子丼とみそ汁、それにお漬物を並べながら付け加えた。「おじいちゃんの幽霊は、たしかにいるんだよ」と。
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うちにじいちゃんの幽霊が出るって」
夕飯の配膳をする花夜子に、スウが呆れた顔をして言った。「川村のおっちゃん」というのは、彼の伯父のことだ。悪い人ではないけれど、ちょっとしたうそをつく人なので、一族の中ではちょっと困り者扱いされている。
そのうそとは「霊感がある」というものだ。花夜子にはもちろん、彼の言っていることがうそだとすぐにわかってしまった。
「離婚が原因なのかもな。
幽霊のことだけじゃなく、うそをつくようになったの、それからだもんな」
同じことを正月に会った親戚たちが言っていたのを覚えている。
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慌ただしく準備が進む間、家にいてもじゃまになるだけだから、スウと彼の従兄たちといっしょに裏の公園でぼうっとしていたら、女の子に声をかけられた。
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あの子は高校を出てから、東京の会社で事務員をしてたよ。そこで知り合った人と結婚して、一緒にUターンして。今は子どもが3人いるって」
「花夜子、会ってみたい。
かあさんが亡くなったとき、優しくしてくれたのをたまに思い出すの」
「じゃ、正月に帰ったときにでも誘ってみようか。
明日かあさんに連絡してみるよ。そういえば3人めの子どもは優花と同じ学年だったっけ」
「おっちゃんも呼んであげてね」と花夜子がいうと、スウは顔をくしゃっとさせて「そうしたら本当に笑えるな」と答えた。
ああ、スウもあのとき気づいていたのだと思った。
そして花夜子は、親子丼とみそ汁、それにお漬物を並べながら付け加えた。「おじいちゃんの幽霊は、たしかにいるんだよ」と。
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