今日、9月21日のとっておき家事では《ディズニー記録をつける》をテーマにしました。昨日に引き続き、今日は「やりたかったこと」の後悔をなくすための記録です。
次にディズニーランドへ行くときは、事前にこんな項目を確認しておくつもりです。
なるべくお金をかけず、限られた時間でやりたいことを全部やる!が目標。
プリンセス姿の女の子がたくさんいて、ああいうのも記念にやってあげたいかも、と思っています。
今回は娘とおそろいのミニーちゃんリボンをつけただけ。
365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修業』
今日のとっておき家事ノート
次にディズニーランドへ行くときは、事前にこんな項目を確認しておくつもりです。
なるべくお金をかけず、限られた時間でやりたいことを全部やる!が目標。
プリンセス姿の女の子がたくさんいて、ああいうのも記念にやってあげたいかも、と思っています。
今回は娘とおそろいのミニーちゃんリボンをつけただけ。
365日のとっておき家事 Story 『幽霊の花嫁修業』
9月21日 毒きのこ
▼0話目を読む/1日1話目安で更新しています
http://blog.livedoor.jp/rincaji/archives/20162017.html
優花の髪の毛に顔をうずめていると、泣けてくることがある。
花夜子は決して涙もろいほうではないし、すごく子ども好き!というわけでもないのだけれど、かけがえのないものを抱きしめている、大切な時間だという気持ちが胸の奥底から突き上げてくる感じ。
朝の家事をひと通り終わらせ、紫鶴子さんと「課外授業」の買いものに向かうことにした。近ごろ、時間割は変則的だ。
「できるだけ外に出て、風やお日さまの光を浴びるのが、優花ちゃんにとってもいいことです」と紫鶴子さんが言う。
抱っこひもで優花をつつみ、家を出た。
日差しはまだ暑いのだけれど、日陰に入ると空気がワントーン下がったような涼しさがある。空に浮かぶひつじ雲などを見かけるとゆるやかに秋めいてきているのを感じる。そういえば、蝉の声が聴こえなくなったのはいつだろう。
花夜子は、いつも通る公園の柵の向こうに目をやった。木の根元に小さなきのこが生えていたのだ。近くでは見ていないけれど、先端に赤みがさしていたので、ベニテングタケだろうか。毒キノコだけれど、おとぎ話に出てくるようなそのきのこの成長を日々楽しみにしていたのだけれど、どこにも見当たらなかった。
やはりあれはベニテングタケだったのかもしれない。危ないからだれかが摘み取ってしまったのかも。
そのとき、ふと空気が変わった。
「花夜子さん!」
紫鶴子さんが叫ぶ。
いつの間にか目の前に、半裸のおばあさんが立っていた。うつろな目は焦点が合わず、ゆるんだ口元からよだれが垂れている。
正気じゃないのかもしれない。
でも、それ以上に恐ろしいのは、彼女の後ろ。
「ああ、ごめん、またせたね」
突然、そのおばあさんの後ろから、恰幅のいいおばさんが顔を出した。おばさんは花夜子の肩をぐっと強く抱いて、無理やり前に進ませた。
どれくらい歩いたのだろう。気づくと、家とは反対方向の橋の方まで来ていた。
おばさんがふう、とため息をついて「急にごめんね、びっくりしたでしょ」と言った。
「あの人ね、子連れの若いおかあさんを見ると、追いかけ回すことがあるんだ。心配だったから思わずおせっかいをやいちゃったんだけど」
おばちゃんは朗らかに笑ったあと、目を伏せた。
「でもね、恨まないでやっておくれね。あの人、かわいそうな人なんだよ。旦那も子どもたちも殺されたらしいんだ。それからああいう風におかしくなっちゃったんだよ」
それはたぶん、誰か、いやもしかするとあの人が流したうわさだ。花夜子はそう思う。
あの人はかわいそうな人ではない。家族も殺されたわけじゃない。
だって、あの人にしがみつく家族の霊は、恨みがましい目をしていたのだから。
このまま放っておくのは危ないと思う。でも、だからといって花夜子には何もできない。あの人は毒キノコだ。でも、摘み取られないように、色をそっと変えている。食べるまで毒が含まれているなんてわからないのだ。
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▼はじめての著書です。ノートを使って家事のストレスをなくそうというもの。
この本では紙のノートをすすめていますが、ノートはどんなものでもいいですし、Evernoteなどのクラウドサービスでもご自分にあったやり方でどうぞ。
また、「ノートを書くのは苦手」という方にも役立つ情報を盛り込むよう心がけました。
時間が貯まる 魔法の家事ノート [単行本(ソフトカバー)]
↑ Amazonでもご購入いただけます。
重版出来! 5刷です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な1日になりますように。
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花夜子は決して涙もろいほうではないし、すごく子ども好き!というわけでもないのだけれど、かけがえのないものを抱きしめている、大切な時間だという気持ちが胸の奥底から突き上げてくる感じ。
朝の家事をひと通り終わらせ、紫鶴子さんと「課外授業」の買いものに向かうことにした。近ごろ、時間割は変則的だ。
「できるだけ外に出て、風やお日さまの光を浴びるのが、優花ちゃんにとってもいいことです」と紫鶴子さんが言う。
抱っこひもで優花をつつみ、家を出た。
日差しはまだ暑いのだけれど、日陰に入ると空気がワントーン下がったような涼しさがある。空に浮かぶひつじ雲などを見かけるとゆるやかに秋めいてきているのを感じる。そういえば、蝉の声が聴こえなくなったのはいつだろう。
花夜子は、いつも通る公園の柵の向こうに目をやった。木の根元に小さなきのこが生えていたのだ。近くでは見ていないけれど、先端に赤みがさしていたので、ベニテングタケだろうか。毒キノコだけれど、おとぎ話に出てくるようなそのきのこの成長を日々楽しみにしていたのだけれど、どこにも見当たらなかった。
やはりあれはベニテングタケだったのかもしれない。危ないからだれかが摘み取ってしまったのかも。
そのとき、ふと空気が変わった。
「花夜子さん!」
紫鶴子さんが叫ぶ。
いつの間にか目の前に、半裸のおばあさんが立っていた。うつろな目は焦点が合わず、ゆるんだ口元からよだれが垂れている。
正気じゃないのかもしれない。
でも、それ以上に恐ろしいのは、彼女の後ろ。
「ああ、ごめん、またせたね」
突然、そのおばあさんの後ろから、恰幅のいいおばさんが顔を出した。おばさんは花夜子の肩をぐっと強く抱いて、無理やり前に進ませた。
どれくらい歩いたのだろう。気づくと、家とは反対方向の橋の方まで来ていた。
おばさんがふう、とため息をついて「急にごめんね、びっくりしたでしょ」と言った。
「あの人ね、子連れの若いおかあさんを見ると、追いかけ回すことがあるんだ。心配だったから思わずおせっかいをやいちゃったんだけど」
おばちゃんは朗らかに笑ったあと、目を伏せた。
「でもね、恨まないでやっておくれね。あの人、かわいそうな人なんだよ。旦那も子どもたちも殺されたらしいんだ。それからああいう風におかしくなっちゃったんだよ」
それはたぶん、誰か、いやもしかするとあの人が流したうわさだ。花夜子はそう思う。
あの人はかわいそうな人ではない。家族も殺されたわけじゃない。
だって、あの人にしがみつく家族の霊は、恨みがましい目をしていたのだから。
このまま放っておくのは危ないと思う。でも、だからといって花夜子には何もできない。あの人は毒キノコだ。でも、摘み取られないように、色をそっと変えている。食べるまで毒が含まれているなんてわからないのだ。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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