その日の朝は、髪の毛を外ハネに巻くところからはじめた。
今のうちに、スピーチを考えておかないと。そうは思うのに、夕飯のおかずとか、今書いている長編小説のことだとか、とりとめない考えばかりが浮かんできてなにもできなかった。
やっぱり紙に書かないと無理らしい。
わたしはどうも髪を下ろすのが似合わないようで、カジュアルにしたいときはすべてくくってしまい、きれいめにしたいときはハチのあたりから取ってきた髪をうしろでくるりんぱにして、ハーフアップにするのが定番になっている。
新しく買ったばかりの、グレーの柔らかい生地のガウチョパンツを履く。
ちょっと硬い感じがしたので、上はピンクベージュの無地のTシャツにして、グレーのチュールビスチェを合わせてみた。硬すぎないきれいめになったような(気がする)。
娘のときからはじまった幼稚園生活も、5年目になると慣れたもので、学期末の懇談会のために必要なものは当日朝の3分ですぐに用意できた。
わたしは「学校用」「スポーツ(公園)用」「病院用」と3つのバッグを用意していて、その中から「今日不要なもの」を取り除けばすぐに出かけられる仕組みをつくっている。
わたしはバスやら電車やらをいろいろ乗り継いで、合い間にそのへんで時間をつぶしたりして、なんとか幼稚園へ移動している。
その日もちょうどいい電車がなくって、しかも幼稚園のまわりには、時間をつぶせるようなカフェもなにもなく、一番乗りで着いてしまったのだった。
教室の外、影になった部分に立って、そっと覗いてみる。
息子が歌っている様子が見えた。3歳の誕生日に入園した息子は、今年で6歳になる。幼稚園の最後の1年がはじまるのだと思ったら、無性にそわそわした気持ちになった。
姉や姉の友だちに可愛がられてきた息子は、男の子にしてはおっとりしていて、いつも女子に囲まれているようなタイプだった。
けれども、やんちゃな雰囲気の男子たちとへらへらしながらふざけていたり、折り紙で剣や手裏剣を量産していたり、「やっぱり鬼ごっこするなら女子より男子だな」と悪ぶって(?)みたり、この1年だけでもずいぶんと変化があった。
今の息子もかわいいけれど、園庭で遊ぶ、小さな3歳の子どもたちを見ると、なんだか胸がきゅっとなるような感じがあった。
こんなふうに思うのは、いろんな人のエッセイを読んだからだろうか。
「3月の暮らしのエッセイ」として募集したショートエッセイの多くに、「3月はそわそわする季節」というような表現があった。
雪国生まれのわたしにとって、寒さがゆるんでくる3月は、希望の時期だった。一年でいちばんわくわくする季節だった。
その感情が大きすぎて気づかなかっただけで、わたしの中にもそわそわした気持ちはあったのだと思った。
こういうときは、いつものお茶じゃなくって、ちょっとだけ違う、”とっておき”を飲んでみるようにしている──。
▼きょうは、無料でお配りしているZINE『月刊tote』より特集のひとつを紹介します。
きょう紹介するのは、そわそわの時期に飲みたい「リセットドリンク」7つです。
ここに書いたもの以外だと、豆乳系のドリンクがおすすめ。朝、食欲がなくて食べられないなというときに重宝しているのだけれど、ジュースと豆乳を同量で割ったもの(グレープフルーツと桃がおいしかった)や、市販の黒豆の煮たやつを豆乳と合わせてハンドブレンダーで撹拌したスムージーみたいなもの。
(※グレフル豆乳や黒豆豆乳は、オリジナルじゃなくって、なおみん先生が紹介していたもの。桃でもおいしかった)
今年一年間、子どもたちは先生にも友だちにも恵まれて、本当に楽しそうに過ごしていた。
学校や園での生活に対してわたしができることは少ないけれど、春休みもなるべく楽しく過ごせるようにたくさん予定を入れたいし、公共交通機関でプチ遠出もしてみたい。
子どもの作品1年分が溜まっているのでギャラリーブックにまとめたり、新学期に向けて生活の仕組みづくりをしたりもしてみたい。
今日は終業式で、今学期最後のひとり時間をカフェで過ごしながらこれを書いている。
終業式の日のマイルールがあって、普段頼まないクリーム入りの甘い飲みものを注文すること。それから外でひとりランチをすること。
いつもは時間に追われて憂うつさもあったのだけれど、今は少し楽しみ。
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