4月のはじめごろ、こんなご質問をいただきました。



初めまして。私は一人暮らしなのですが、一人暮らしのときの家事ノートの作り方のコツはありますか?

by柚さん

とてもおまたせしてしまいました。


今日は、もし今の知識のまま「ひとり暮らし時代」へもどったらどんなノートにするだろう? という、私なりの「答え」を書いてみたいと思います。





「時間が貯まる 魔法の家事ノート」とは?

2017年に発売した著書で紹介した、私の考案したノート術です。

家事の情報を「スケジュール」と「ログ」に分けて管理するのがポイント。


ひとり暮らし時代に、1冊のノートに「今日やること」から「ずっと覚えておかないといけないこと」まですべてメモして、数十冊にもなり、あとから探せなくなったことからこんな形態になりました。



まず、10年近く前のアイディアなので、今、まったく同じ取り組み方はしていません。ちょうどそのことについて取材をしていただいており、近日中にお知らせができるかと思います。


また、せっかくだから「手書きで可愛くしたい」という思いがあだとなり、発売当時たくさんいただいたのが「ハードルが高すぎる」という声でした。


「がお伝えしたいのは「何度もくり返し探したり、調べたりするのをなくすだけでも時間が貯まるよ!」ということなのです。




スケジュールとログのちがい

スケジュールはやることリスト

スケジュールというのは、かんたんに言うとタスクです。ToDoリストです。


やるべきことについての情報が必要なのは「その家事が終わるまで」のあいだです。でも、家事はくり返し行ないます。頻度も変わってきます。だからむずかしいのです。

そうしたむずかしさを取っ払うためのフォーマットとして考案したのが、1ヵ月見開きのスケジュールシートでした。


現在はもうないのですが、こちらは過去にマークスさんから発売された「魔法の家事ダイアリー」として監修しました。



「魔法の家事ノート」が、手帳になりました! : 365日のとっておき家事 Powered by ライブドアブログ 【魔法の家事ノートが手帳になりました!】 『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社)でご紹介した家事ノートが、手帳になり 365kaji.blog.jp



この手帳があったとき、私は自分でリフィルをつくっていたときよりも遥かにかんたんに家事ノート(スケジュール)をつくることができていました。

困ったのはそのあとです。いろいろな試行錯誤を重ねて、今は「AI×ホワイトボード」を使っています。
毎日完ぺきに終わらせるのはむりだけど、8割くらいは終わるし、家事の残り数が見えてすごく良いです。




「何度もやり直す」時間をなくすためのログ

また、ログは「何度も調べ直したり、探したりする情報」をまとめたものなんです。たとえばくり返し買う消耗品の商品名。家電の型番。コップが割れたから買いたいけどどれだったかわからない……みたいな。


もしはじめて「家事ノート」を知った方がいらしたら、まずはこちらをどうぞ。

「ログ」の1番シンプルな方法を考案しています。

一番かんたんな「魔法の家事ノート」のつくりかた : 365日のとっておき家事 Powered by ライブドアブログ 一番かんたんな「魔法の家事ノート」のつくりかたを紹介します。なお「ログ」部分となります。 365kaji.blog.jp 




ひとり暮らし時代の家事って、どんな特徴があったんだろう?

この2ヵ月近い時間、私がいつも考えていたのが、そもそも「ひとり暮らし時代の家事」ってどんな特徴があったのだろう?ということでした。

ぱっと思いついたのは3つです。


1.誰からも見えない

だれかと暮らしていると、家事の達成率が相手から見えてしまいます。そのうえで「汚いなあ」とか言われたり「このごはんおいしい」とほめられたりします。
ポジティブでもネガティブでも、なんらかの反応がある。ひとり暮らしの場合はよくも悪くもそれがありません。

誰の目にも映らないことから「後回し」もやりがちになると思います。少なくとも私の性格だとそうです。



2.家事タスク自体はそこまで多くないけど、頼れない

次に、家事の総量は少ないけど、自分しかやる人がいないということです。もちろん、家事代行サービスを頼めばべつですが、基本的にすべて自分でやる必要があります。


シェアすることもできない。具合が悪いときはもう諦めるしかない……。仮に、友だちや親などが近くに住んでいて助けてもらえるとしても、いっしょに暮らしているわけじゃないから「なにがどこにあるのか?」みたいなことは伝えられないかもしれません。


3.情報共有ができない

上に関連して、情報はすべて自分ひとりのものという特徴があります。


寝込んだときもそうだし、災害など万が一のときに、自分がもっている情報をだれかに伝えられないということです。




私がもし、大学時代にもどるなら

私がもし大学時代にもどるなら、つくるべき家事ノートは「自分の取説」のようなものだと思います。この取説は「緊急」と「ノーマル」の2つの側面を持ちます。




緊急

上にも書いたように、ひとり暮らしの特徴は、家のなかやスマホのなかにあるあらゆる情報を家族に口伝えや体感で伝えられないということなんです。


実際、わが家では、もし私が急に入院したりしたら、夫は困ると思います。なにがどこにあるかわからない。でも、子どもたちがわかっています。大事な情報や、大事なものがどこに入っているのかは、緊急事態のために伝えています。

自分たちで収納の中身を見ているから、伝えていないものでも、「少なくともここにはないだろう」という判断もできます。


ひとり暮らしの場合、口伝えでも共有できないというのが大きいと感じました。


だから、優先してつくったほうが良いのはたぶん、エンディングノートに書くような「緊急事態の情報集」だと感じました。


だから、わかりやすくてシンプルであることが大事だと思います。それでいて、第三者に見られたら困る情報もあると思うので(パスワードリストとか)、著書に書いたパスワードを暗号にする方法みたいなものを取り入れながらやってゆくと安心だと感じました。


特に最近問題になっているのはサブスクで、これは同居する家族でも把握していなかったりしますが、自分に万が一があったとき、先に銀行口座を解約すると、家族による解約がものすごく大変なのだそうです。


なにか一つ、優先的につくっておきたいページをおすすめするなら「サブスクリスト」だと思います。



ノーマル

ノーマルモードのノートは、日々の家事を回していくための、自分自身のためのノートです。

ひとり暮らし時代を振り返ってみると、日々の家事スタイルは5パターンあったように思います。


  • 元気でやる気があるとき

  • 体力的に疲れているとき

  • 精神的に疲れているとき

  • 来客や繁忙期などを控えて前倒しでがんばるべきとき

  • 発熱などで何もできないとき

もうちょっとざっくりいうと、元気か?、元気じゃないか?、イレギュラーがあるか?という3つのくくりで分けることができます。



家事ノートを最低限つくりたいなというときは、特に「元気じゃないとき」を想定してつくるとよいと思います。つまり、「体力的に疲れているとき」「精神的に疲れているとき」「発熱などで何もできないとき」の3つを視野に入れてつくるのです。


というのも、だれかと暮らしていれば、体調が悪いときに頼ることができます。
ひとりだとそれができない。
それなのに動かなきゃいけないみたいなこともある。



だから、「しんどいときでもできるかどうか?」を念頭においた粒度のノート作りが良いのかなと思うのです。


そして、「情報をシェアする」よりも「自分だけがわかればいい」というのもポイントだと感じました。


どういうことかというと、書いてある内容は具体的で簡単である必要がありますが、丁寧に書いたり、他人にわかりやすく書いたりといったものが不要だということです。




たとえば、「しんどいときの献立キット」ページなんかどうでしょう。


買うものリストとレシピがセットになったページです。
疲れたときって判断力も鈍ってるから、そこから料理を考えるのもしんどい。レトルトや冷食に頼ってもいいけれど、節約や栄養のために手作りしたいという人もいると思うので、迷わないページがあると最高だと思っています。



こういった観点からつくりはじめると、役立つページを少ない労力でつくりやすいと思います。

家事ノートのなかでも「ログ」のむずかしさは、更新です。

日々、買うものも、やることも変わっていきます。だからこそ「これだけはほしいな」という情報を中心にまとめていくのがとてもおすすめです。





柚さんへ
本当にほんとうにおまたせしてしまい、すみません。
子どもの卒園・入学で2ヵ月近く、ほとんど作業時間が取れずにおりました。
ただ、時間をかけた分、いつも頭の片隅にご質問がありました。少しでも参考になればいいのですが……!


※この記事は、2026年5月17日noteにて公開したものを転載しています。